賃貸併用住宅は、人の願望と社会経済の自然反応
注文住宅と賃貸住宅経営の為の建築は、「住宅を建てる」という点では同じです。
でもすこし前までこの両者は、別なものを求めているほとんど縁のない人同士でした。
いま起きている変化
それは、より良い住まいを求める人と、より質の高い収益を望む人と、世の中の経済の流れが密接に融合した結果でもあります。
1 資本主義は、人々が借金をして事業を拡大する、その成長を前提として成り立っています。
2 株やファンドよりも手堅く、国債よりはハイリターンな投資として、不動産はその名の通り「地に根差して動かない」価値を持っています。
3 しかし、不祥事があったため賃貸住宅系に対する融資はハードルが高くなってしまった。一方金融機関にとっては比較的安全な融資である住宅ローンが適用できる賃貸併用住宅(*大手都市銀行以外では取り扱いが様々です。地銀、特に信用金庫等は要注意で個別の相談が必須です)では、借り手と貸し手のニーズがマッチする。賃貸住宅経営を始めたい方にとって有力な選択肢が現れた。
4「マイホームも欲しいけど、新築の注文住宅の建築費は高額過ぎる」
「しかもうちは土地から買わなければならないのに、土地はもっと高い」
この負担を何とか減らして、注文住宅を建てる方法はないものか?
「住宅ローンの返済を劇的に楽にしたい」
これらが自然に近づいて融合し、一つの答えとなっているのが「賃貸併用住宅」です。
この賃貸併用住宅に注目する方たちが増え、一定の層を成しています。これはそうした方々に読んでいただきたいブログです。
まずは過去の状態をおさらいしてみます。
注文住宅=「マイホーム」を持つ場合
銀行からお金を借りて利子が加算された額を働いた収入で返済するか、自己資金の場合はまとまった貯えが減る。賃料収入などはありませんのでいずれにしても成果物に対してお金を払う、純粋に消費です。
ですのでお金は一方的に減る方向であり、増えることはありません。
純・賃貸住宅(アパートや長屋)を建てる、同時にマイホームも欲しい場合
アパートをを建てる為の費用、更には土地購入からの場合にいたっては土地・建物合わせた総額は家賃収入があるとはいえ、大変に重い負担となります。
そこに加えてさらにもう1棟ご自宅を、という資産に余裕のあるかたはなかなかいないのではないでしょうか。
このように「マイホーム」、「賃貸住宅」をそれぞれ単体で建てた場合には、ローン返済を楽にしたいという方や、賃貸住宅とマイホームの両方を希望している方達の思いは満たされません。
賃貸併用住宅はどちらの要望も満たせます
ここで登場するのが賃貸併用住宅です。 ご自宅の新築と一緒に、ある程度の戸数の賃貸住戸が造れれば(ご計画により様々です)、融資・返済条件の設定によっては家賃収入が毎月の返済額を上回る事も可能です。(賃貸住戸の戸数や賃料設定によっては下回る事もあります)
つまり、夢のマイホームが手に入りながらも、「銀行から借りたローンを返す=支出」を飛び越えて、賃貸の戸数次第では「微額ではあっても毎月家賃収入が入ってくる可能性」=収入まで視野に入るという、マイホーム、純・賃貸住宅それぞれの不足を補い合うバランスの良い投資を行える可能性があります。
賃貸併用住宅の特徴
・まず工事費ですが、小さいとはいえ全ての設備が整っている坪単価の高い賃貸住戸が複数戸加わるわけですので、戸建て住宅よりも費用がかかる。これはいたし方ありません(賃貸併用住宅の設計とコストコントロールに長けた建築士にご相談ください)。
・ケースバイケースの設計となる為、ご自分の理想と近い「過去の参考例」はなかなかありません。
賃貸併用住宅は、ご自身達の住まいへのご要望、そして賃貸経営に対する収益目標が各々のオーナーによって異なるため、決まった「カタチ」がありません。ひとつひとつが全く異なる建物になるのも賃貸併用住宅の特徴の一つです。
賃貸併用住宅 成功への過程、そして注意点
賃貸併用住宅には、多くの検討が必要な要素が混合します。
複数の必須項目、さらにはご要望が重なることにより設計の難易度は上昇します。その結果、賃貸併用住宅の設計は一戸建てや純・賃貸住宅よりも、入念さと丁寧さ、そして設計能力が求められます。もちろん建築上の法規制も厳しくなってきます。
そして、単純な投資としてみた場合の注意点として、建築費な中に非収益部分の自宅に係る費用が混ざるので、純粋な集合住宅と比較してレンタブル比の低い賃貸併用住宅の収益性は必ず下ります。
秘訣、それはパートナーの建築士と真剣に取り組むこと。道は少しづつ、必ず開けてきます
一つひとつの課題に対し、妥協せず又根気強く最善を求め、建て主様と建築士とで力を合わせて乗り越えていく、その積み重ねがあれば、成功は自ずと近づいてきます。
滝沢設計のホームページで成功の実例をご覧ください