「戦わずして勝つ」

孫氏の兵法の中の有名な一節ですね。
アパート建築は今魅力的な投資であるが故の、新規参入者の増大と競争の激化。
東京都では土地が潤沢にあるとは言い難く、また神奈川県は人口も多く工場や企業などの勤め先も豊富でまだまだ新規参入者にとってアパート建築に適した土地が存在します。と、これがまた熾烈な競争を生み出してもいます。
しかし、これを戦い抜いてこそ、初めて投資が実を結びます。
でもこの戦いは大変そう。できることなら「戦わずして勝ちたい」ですよね。

戦うのは優劣をつけるためなので、初めから優劣がはっきりしていれば戦う必要自体がありません。本来の兵法の意味合いとはちょっと違ってそうですが、とにかくこれを理想としたいところです。
ここで、優劣の基準は「入居者にとっていかに魅力ある部屋か」としっかり定めます。どうしてかは、この後をお読みいただける中でご理解いただけると思います。

もちろん、常にコスト過多とならないように気を配ることも忘れてはなりません。

賃貸併用住宅の設計

孫氏の兵法に学ぶ、賃貸住宅で勝つ方法

まずは斬新な設計力で基礎力アップ

利益回収を急ぐあまりに、本来必要なものまでつけずに建物予算を削ってしまう→入居者からすると魅力がないので、低い家賃設定で更に数年経過後に空室、中古で売る事もままならない。という悪循環を生み、これは戦う前から負けております。

建てる土地の価値を最大に引き出し、入居者に選んでもらえる高付加価値の建物を建てることが賃貸経営成功の鍵ですので、まず良いスタートが切れるかは設計の質に委ねられています。

この設計には先入観を捨て、現状に柔軟でかつ斬新な姿勢が求められます。

ここで要注意点があります

とにもかくにも「目新しい斬新な設計」。とここでフライングをしてはいけません。事業の失敗という、元も子もない結末にならない為に。
つまり、オーナー様や設計者にとって斬新なら良いのではなく、あくまでもその斬新さが入居者にとって魅力となるものでなければ本末転倒です。空室発生の原因にもなりかねません。

常に自分が賃貸住居を選ぶ側の目線で進めていくことなしには、賃貸事業を長期的に安定したなかで続けていくことはできず、またもちろん、出口戦略としても有益な価格での売却はおろか、不良資産となってしまうこともあり得ます。

利回りの見かけの数字のみを上げる為だけに、無理に住戸数を増やすことによる数々の弊害

住室の日照欠如や洗濯干し場が無いという衛生面不良、他入居者との視線バッティングやプライバシー欠如等、住環境の劣悪化(建築基準法は最低限の基準であることでの不十分)、さらには様々な抜け道で法の主旨を充足させずに規定をクリアした場合にいたっては、悲惨な生活環境になりかねません。

このような住戸が、数だけ1つ二つ多くても、何の意味があるのでしょうか?それを基に他利回りの数字に根拠などあるのでしょうか?

目にする実際の例

・居室の帖数を6帖などに数合わせする為に、全く利用できない廊下などの凸部まで居室の面積に含んでしまう(少し注意力のある入居者ならすぐに気付きます。もしくは住んでみたら生活できずに出て行ってしまう、ましてや中古1棟売りで買おうとする人たちがそれを見過ごすとは思えません。

・同じく居室の帖数を6帖などに数合わせする為に、廊下を無くしてしまい、本来は廊下から出入りする水廻り諸要素の出入り口やキッチン、それら全てを居室の外側の壁面に配し、部屋の中に向かって面させてしまう。主に不動産絡みですが、一見すると6帖がある住戸にみえてしまい住んでみないと分からない、これは巧妙でもあり、かなり悪質と言えます・・・
実際には居室として使えるスペース、ものを置く場所が何もないので、生活が成り立たない・・・

オーナー様がこれに気付かなくても仕方のない事です。モラルの欠けた無責任な不動産業者と設計者にはご注意いただき、このような被害に会わないよう祈るばかりです。

 

間取り要件(必要なもの=ハード面)

設計(プラン)の重要パーツ

・1住戸20㎡以上ならば手洗器付き浴室でなく独立洗面室。
・洗濯機は廊下の丸見えの場所には置かない
・ミニキッチンでないデザイナーズ仕様の一体型キッチン、サイズは1200以上
・冷蔵庫.食器棚を置くスペース
・居室は独立させ、できれば境に扉を設ける
・廊下は最小でデッドスペースは不可
・25㎡以上なら収納は2か所以上
・なるべく各室に2面採光

とはいってもかたくなに全てを満たそうとすることは却って全体を損なうことがあります。
まず起きるのが、面積がどんどん大きくなってしまいます。なにせ20㎡や25㎡のなかにひとつの住宅を詰め込むわけですから100%は無理というもの、必ず柔軟な発想でひねりを加えないと収まらないのが常です。
例えば
・独立洗面室ではないけれど視線がさえぎられるスポットに洗面台を配置
・キッチンを居室内にすることでデッドスペースが無くせる場合、対面キッチンとして違和感を減ずる
など、それぞれに対しいくらでも対処策はあります。

また居室の形は真四角が理想ではありますがそれが無理な場合、「変形だが使いにくさは無い」範囲内である程度自由に発想する。入居募集の際には家具を書き込んだ図面でアピールすれば、その形がかえって入居者の目に新鮮に映るかもしれません。

性能の向上

戸境の防音は建築基準法で防音構造が求められていますので、これまではそれをやっておけばOK、のような感覚がありましたが、建築基準法が「最小限の基準」である以上、このレベルを高めるという姿勢が必要で、またここでかかる最低限のコストは惜しむべきではありません。もちろん工法や建材を吟味して増額を最小限に抑えた上でのことなので、時には全く独自のやり方を考え出すことも求められます。(この姿勢こそが、競合他アパートが真似のできない差別化となります)

土地

土地が整形でない場合、そして必ず隣家が建っている周囲状況において全ての住戸に均一な採光・そして住戸間と隣家とのプライバシーを確保しつつ、一つでも多くの住戸を増やす設計をしなければなりません。

柔軟、時に斬新な発想で設計することで、一見斬新でも要件を満たしている住戸として成り立てば、大切なお持ちの土地、あるいは大金を投じ手取得した土地の潜在してきた価値を引き出す事ができ、収益も想定以上となります。

道路との高低差がある場合はまた違う意味での設計力が必要です。高低差の処理には擁壁や土木の知識経験が求められます。最も効率のいい魅力的なアパートの設計を活かすための最適な、土木計画。を練り出せる経験と能力。
建築だけにとどまらない、いわば技術屋さん的な力量も必要になってきます。

内外観のデザイン(差別化が決定的なものとなる=ソフト面)

ここまでに書いてきた事だけでも、競合相手にかなり優位に立てています。ですがまだ決定的とは言えません。
いえ、真に差別化ができるのはここからです。

デザインの基本

デザインは初期の設計の段階でほぼ決まります(初期に決まっていなければなりません)。

巷にあふれる「ゴテゴテと飾り立てているけどなんかチグハグな建物」、は、後から表面に貼りつけたものです。残念ながら設計の素養が欠け、初期段階から計画された「形」と「ライン」の整合性が無い事から、不自然になってしまいます。

おまけに、この場合貼り付けるものの奇抜さだけしか訴えるものが無いので、そのコストは思ったよりも高額にかかってしまうものです。
この「形」と「ライン」が正しい意図をもって設計されていれば、高価な飾りつけが無くても十分に美しい。つまりはこれがローコストにも直結するのです。

もちろんよりデザインを高めるアクセントとして効果的な部分も、初めから意図して計画しておきます。ここに違う素材や色を組み合わせていく、決して高価なものでなくても十分なデザイン効果が得られます。

コスト面も初めから最小限になる事を前提に検討し尽くすことができるわけです。

ここでもう優位性は決定的になってきました。

デザインの基本とどめ;入居者に目を引くプレゼントを用意する

1、外観の一番に目が行くところにシンボリックなデザインを投入し、入居者に強い第一印象を与える。

2、間接照明
以前にはなくて今あるもの、安価なLEDの照明器具を上手に使いこなして効果的に間接照明を造作で組み込みます。(驚くほど低額で施工できます)

3、モザイクタイル
効果が最大の場所に、使用する面積を絞ってモザイクタイルを用います。
(ここで重要なのは、正確な施工図をきっちり書いて現場作業者に渡すことです。これがないと工事費は何倍にも膨れ上がってしまいますので)

競合相手ができないことをする

デザインの基本

デザインは初期の設計の段階でほぼ決まります(初期に決まっていなければなりません)。

巷にあふれる「ゴテゴテと飾り立てているけどなんかチグハグな建物」、は、後から表面に貼りつけたものです。残念ながら設計の素養が欠け、初期段階から計画された「形」と「ライン」の整合性が無い事から、不自然になってしまいます。

おまけに、この場合貼り付けるものの奇抜さだけしか訴えるものが無いので、そのコストは思ったよりも高額にかかってしまうものです。
この「形」と「ライン」が正しい意図をもって設計されていれば、高価な飾りつけが無くても十分に美しい。つまりはこれがローコストにも直結するのです。

もちろんよりデザインを高めるアクセントとして効果的な部分も、初めから意図して計画しておきます。ここに違う素材や色を組み合わせていく、決して高価なものでなくても十分なデザイン効果が得られます。

コスト面も初めから最小限になる事を前提に検討し尽くすことができるわけです。

ここでもう優位性は決定的になってきました。

神奈川で賃貸併用住宅の実例

神奈川での賃貸併用住宅の実例

工事費用を新たな視点でとらえる
これらのほとんどは、工事費の面では下がるという事はありません。増額となります。
でもちょっとだけ長いスパンで見直してみましょう
・安普請で造ってしまった際の、空室時のマイナス
・安普請で造ってしまった際の、低額の家賃設定によるマイナス
・安普請で造ってしまった際の、早すぎる家賃値下げ
を検討対象に加えますと、ケースにもよりますが数年から長くても10年以内には取り戻し、その後は増収分だけが増し積まれていくことになります。
というかそもそも論として、安普請のアパートでは経営が立ち行かなる可能性があると言えます。

そしてなにより、土地購入からの方にとっての出口戦略としても、付加価値の高いアパートとして建てておくことは必須条件です(安普請のアパートが希望価格で売れない。という事例が現在続出してきています)。

成功の為の、圧縮した最低限のイニシャルコストはプラスに捉えることが、長いスパンでの成功には肝要となります。

成功は積み重ね

他にはできない設計のノウハウと創意工夫を積み重ねることで、入居者にとってとても魅力的な、言い換えますと内見した瞬間に「他よりも、絶対ここがいい!」と思わせる事ができる賃貸住宅になります。
他にはない魅力を持っているので、戦う必要がありません。
これこそが唯一、「戦わずして勝つ」ことができる秘訣となります。
ここで初めに戻ります。
「入居者にとって魅力ある賃貸住宅を建てる」事、長い目で見ればこれが戦略となるのです。

もちろん我々設計側が勝手に進められるはずもありません。一つ一つ説明・プレゼンをします。そして常に最終選択・決定者は賃貸住宅のオーナー、つまり未来のあなたです。

「戦わずして勝つ」ために、遠回りはいけませんが、近道もまたありません。

でもその「道」は必ず、確かに存在しています。

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