こんにちは。神奈川県横浜市の設計事務所・滝沢設計です。

当事務所は横浜市内の方からの依頼が多いのですが、やはり神奈川県の中でも横浜の方はデザインへの感度が高く、それでまたコスト感覚も大変に厳しいという、僕らを鍛えてくれる強者揃いです。

今回はそんな強者たちも納得の費用対効果の高い、そのままの表現ですと「出した費用の元が充分に取れる」低価格のカッコイイ家をつくるコツについて、お話します。

さて、「カッコイイ家」というのは、人によって違います。あたりまえですが。そう言ってしまうだけですとここで話が終わってしまいそうです。
ですのでここではあえて、当事務所のホームページの中のデザイン住宅実例集にあるような、シンプルで飽きのこない、でも個性的な住宅、という感覚を指標として話を進めます。

 

滝沢設計の提案するローコストとは

誤解していただきたくないのは、安ければ何でもいい、ということでは決してありません。基本的な考え方は、次のとおりです。

1.構造はしっかりとしている。

2.こだわるところはこだわり、コストカットできるところは見逃さずに、予算配分を柔軟に調整する。

3.できるかぎり妥協のないデザイン・品質を確保する。

4.イニシャルコストだけでなくランニングコストにも目を向ける。

以上のポイントを抑えながら、ローコストのコツの例を、たくさんありますので今回はその一部をご紹介します。

デザインとセンス

窓を同じ大きさに一定間隔で連続させる。

私の実例集の外観写真をご覧いただけますと、窓は縦方向も横方向も、何らかの関連性を持たせてリズムよく連続している外観が多いと思います。これは、窓の連続を意識しているのは外観が美しくなると同時に、「壁」の適切な配置を考えているからです。

・縦方向
頻繁に見かけるのが、上下階の窓の位置が不自然な不一致。木造でないRCラーメン造や重量鉄骨造では最下階から最上階まで柱はつながっているので、各階の柱の位置はおのずと同じです。下のサッシの真ん中あたりに上の階のサッシの端がある、などという状態は本来あり得ず、木造だから許容されてはいても構造面で欠点を抱えた住宅と言わざるを得ません。
この縦のラインの連続は、無意識に人間の目には自然に映り良いデザインとなり、それが構造強度に裏打ちされてもいるわけです。
また、耐力壁は上下階で同じ位置に連続することがとても望ましいものです。専門的に言いますと「力を有効に基礎まで伝える」ということになります。
同じ耐力壁でも、より効果の高い位置に設ければ必要以上に増やす必要がなくなります。
そして、縦のラインに関連性を持たせるといっても、ただ単に同種同サイズのサッシを上下に揃える、というのではかえってやらない方がいいみすぼらしさを感じさせてしまいます。
タテスベリ、横滑り、上げ下げ、フィックス。すべてのサッシ種を混合して最も効果のある窓の配置を、家ごとにとことん考え尽くします。

・横方向
窓の高さ寸法は、必ず同じにはなりません。
教室の窓は大きくしたいし、水廻りの窓は視線を避けようと小さくなる傾向があります。また、室内のいろいろな要因により、取り付けの高さも一定とはなりません。
ですが、だからと言ってバラバラで良いはずもなく、ここでもまた何らかの関連性を持たせて窓の大きさ・取り付ける高さを計画する必要があります。

これらの前提に基づきながらも、時にはあえてそれを逸脱させてアクセントや効果的な変化を持たせること。実はここが最も設計者の個性、そして才能が現れるところでもあります。

さらに重要な要素があります。
「明るい部屋」皆さまが求められることです。そこで室内を明るくしようと、ここにもあそこにもと、とにかくたくさんのサッシをたくさんつけてしまった家もたくさん見ます。
細かい窓があんまりにたくさんあると、ふと我に返り「うるさく」感じてしまうのです。これはない感からも外観からも同じです。
サッシは安い建材ではないのに、費用を投じた挙句に逆効果、などということになってしまいます。

解決法は、効果的な場所を厳選して、そこに、細かいサッシをたくさんではなく大きなサッシを「ドン」と置くことです。サッシというものは例えば、1㎡のサッシ2つよりも2㎡のサッシ1つの方が全然安いのです。
つまり「サッシの数は増やさないで、窓面積は大きくとる」ことがローコスト化には必須となってきます。
一定以上の大きなサッシにはフィックス窓しか既製品のサイズがありませんが、実はこのフィックス窓は非常に安価であり、コストダウンしてデザイン効果を上げるための、とても心強い味方となってくれるのです。

またあるいはまったく逆の発想で、納戸などの窓は必要な機能は換気のみですので、サッシの替りに安価な換気口で代用します。そうすることである一面の壁にはあえてひとつも窓をつけず、その壁の仕上げを変えてアクセントとして強調する。という手法も混ぜ合わせて検討します。もしそこがその家の「顔」となるポイントになるとしたら、タイルを貼るなど、そこにはコストを投入してもいいかもしれません。
これはローコスト住宅の工夫がイコールデザインに結び付いた効果的な例といえます。

建物を強く美しく、カッコよくしたいのであれば、適切で絶妙な窓と壁の配置が大切で、それはまた工事費の低減にもつながるのです。