[Value Enginireering] の頭文字です.
直訳すると「価値の技術」?もう少し噛み砕くと「落としてはならない品質は決して落とさずに、上げられることを徹底的に掘り起こして、価値を高める為の手法」ということになります。
よく勘違いされているのが、ローコストという言葉との混同です。VEはその名の通り、コストダウンのみが目的ではありません。
VEを推進したら、副産物としてコストも下がった。という事例によって、経済至上主義にも合致するという事で今やその面ばかりが目立っています。。
VEの具体的な作業
1、顧客側の立場に立って考えるーあたり前なことなのに、会社の利益が先に来てしまう業者が大勢います
2、形式でなく機能を優先するー固定観念に囚われないで無駄を切る
3、様々なアイデアを出し現状を打破するー柔軟で斬新な発想を生み出す努力の積み重ね
4、それらをシステマチックに行うー効率を上げる
これらの作業を行う事によって、顧客にとっての価値の向上をはかります。これらの中にはコスト低減の作用を持つものも含まれますからね。結果コストダウンとなります。
住宅建築の場合は、加えて地域性の特色の見極め、例えば東京ならば小さい土地に高密度に高レベルのデザインを凝縮するニーズ。神奈川県には都市型住宅の中にも自然を取り込むバランス感覚が求められます。
こうした設計での能力面も同時に向上させてこそ、建築家のVEといえます。
住宅のローコストとの比較
目に入ってくるものにはいつもどこか違和感を感じます、というのはローコスト住宅のほとんどは、価値を下がることでコストを下げているからです。つまり「安かろう悪かろう」です。このような事なら何の技術も能力も知恵も才能も発見も必要がありません。
つまり「誰でもできる」ものです。
サッシの数を減らしたり、家の形を制限したり、それが無いと生活できない事を追加工事にしたり、そんなことをすれば安くはなるでしょう。でも大切な住宅の持つ価値まで下がってしまう。それはプロの仕事ではありません。
何よりもお客様にとって一生に一度の家造りなのに。それではたいへんに困ります。
本来の姿
住宅のコストも、当然VEの発想によって検討されるべきです。
ただVEの場合基本的に下がるストが多いのですが、価値を上げる為に時として中には上がるコストもあります。なので全体として不自然にコストが大きく下がることはありません。
エンドユーザーとして「安かろう悪かろう」など求める人はいないはずです。なので「この価格でこの価値ならば大満足」というお客様の声を目指すのが、本来の我々の責務だと考えます。
滝沢設計は単なるコストダウンではなく、常にVEの姿勢で業務を行っています。
ですのでその価格は、どこよりも安い家、といったものではありません。
ローコスト専門の住宅会社さんのように安さをアピールするのではなく、「このデザインでこの品質で、この価格は費用対効果としてかなり高いと、自信をもって言えるものです」といったアプローチとなります。
またVEは工事費がお客様の希望予算をオーバーしてしまった時も、とても有用です。「質を下げずに金額だけを下げる」このための工夫・知恵・アイデア・発想、そして根性ともいえる持久力。については、我ながらいつもよくやるなと感心することしばしです。
そのかいあって
「来客や近所の人に家を褒められた」
「住めば住むほどこの家が好きになる」
「この家はあんまり気持ちいいので、休みの日も出掛けたくない」
そう言っていただけることが、なによりのVEの果実です
次回に続く