「蔵」はMIS○WAさんしかできない、ものではありません。

まず、蔵は特許ではありません。
よって、技術力があれば誰でもできるものです(ただ難易度としては結構高いのですが)。
しかも我々設計事務所には大企業特有の設計・施工の社内規定などというものがありませんので、これに自由自在に改良を加えてより実用性の高い形態に進化させることが可能です。

具体的にご説明します。

蔵のもっともよくある形式は、1階の2階の間に、容積率に算入されない天井高さ1.4m以下の収納空間を設けるものです。

スキップフロア・蔵収納蔵を設けるには、1階の高さを十分に確保してその上から高さ1.4mの蔵を造り、残った高さが1階の天井高さ、という事になります。
単純に足し算で 2.1m(1階の最低天井高)+0.25m(1階の天井裏)+1.4m(蔵)+0.25m(蔵の天井裏)=1階の高さが4mにもなってしまいます。
蔵の所だけは良くても、これでは蔵の無い部分の天井の高さが不必要に高く、木材や内外装費が不経済ですし、階段のスペースも肥大化。なんと言っても北側斜線制限などがあると2階の北側への影響が大きすぎます。言い換えると、「蔵」のほんの狭い部分だけの為に家全体が犠牲を被ってしまうわけです。

「蔵というのはこういうものなんです。蔵をとるか、普通の家にするか、どちらを選択しますか?」・・・これでは結果的に「蔵」は選択できませんね、これが実際には採用実績が少ない理由なのではないでしょうか。
でも蔵収納に魅力を感じたお客様の気持ち。これは尊重しなければなりません。あるいは、蔵収納を活用しなければ住宅に必要な各空間が確保できないような土地に建てる場合はどうでしょう?なんとしても実現してさしあげなければいけない時は?

そもそも蔵収納って、ほんとにそんな問題児なんでしょうか?
いえいえ、どんな問題児だって丁寧に面倒を見てあげれば必ず厚生してあげられるはずです。

実際には不可能なんてありません。そこで我々設計事務所の出番です。

蔵とその活用

蔵とその活用

まず1階の床にスキップフロアを導入し0.35m下げます。
そして2つの天井裏の施工を厳しく詰めて、合計0.5m、1階の高さを圧縮し、蔵収納採用に伴うプラス、分の高さを最小限にとどめます。そして、間取りをうまく設計して蔵以外の部屋においても、天井の余った高さを活用できれば、問題児どころか「めったにいない優等生」になります。

この活用方法は個別の家それぞれに異なりますので、その都度一つ一つの家に対応して知恵を絞ってご提案させていただいています。
先に示した例は1階の床だけをスキップフロアしていますが、主な例として例えば、これに加えてさらに2階の床もスキップさせるやり方(←スキップフロア特集ページへ)もあります。
こうすると、階段の取り方に間取りと技術面ではさらに難易度が上がるのですが、この場合は1階の空間に「余分に天井が高すぎる空間がない」ので、より無理のない自然な空間活用となり、正に「2.5階建て」のお得な住宅が実現します。

でも要注意。構造強度や室内が仕上がった状態での細かなところまで、完全に問題がなく、かつ普通に建てたよりも歴然と素晴らしい空間になっている為には、慎重で高い技術面からの完璧な検討が必要です。
それを最後までやり通す自信のある設計者だけが、スキップフロアを設計する事ができます。

滝沢設計のスキップフロアはいずれのケースでも、空間が増える事だけでなく、室内のデザインにおいてもリズミカルで変化に富んだ楽しい生活が、うれしいプレゼントでついてきます。

こうしていい点だけを伸ばすことができれば、晴れて蔵も問題児の汚名を返上して、この家を活かす超重要メンバーです。

(次回、その他の高い天井活用法、に続く)