将棋の世界の格言です
王手飛車取りのような初歩的な技術ではありません(でもあれ気持ちいいんですよね)。つまり、「攻めにも守りにも効いている1手」ということで、こういう手は妙手であることが多い、という意味でしょうか、たぶん。
これは実に我々の生活のなか、あらゆる時と場においてまさに“言えて”ますね。
たとえば仕事の用で移動する時、ついでに途中でごみをひとつ捨てる、とか。
どうせ食べるなら健康にも良いものにするとか。
携帯変えるなら更新月にするとか。
家を建てるなら2世帯住宅にするとか。
アパートを建築して家賃収入を得て節税もするとか
あと、どうせ家を建てるなら滝沢設計にたのむとか(これが言いたかった・・・)
実生活では・・・
そうそう理性だけで行動できないのが、また人間でもあります。
もう理屈抜きに気に入ってしまって買わずにはいられなかったけど1回しか使わなかったとか。
お医者さんに止められているのに塩辛いものを食べ始めたら止まらなくなって大量に食べてしまったとか。
あそこでもう一我慢できればその後あちこちで世界が広がった、かもしれないのにブチ切れてしまったとか。
でもまあ、それを頭からダメだなんて、誰にも言えそうもないですね。
全ての人がそうなる可能性を秘めています。
なので
たまには仕方なくても、なるべく少なくしていくことしかできないような気がします。
そして、完璧な行動はできなかったとしても昔に打っておいた「攻防の一手」がフォローしてくれたり、あるいは新たな「攻防の一手」を打つことですこし挽回できるかもしれません。
羽生さんでもない限り、鮮やかで強力な1手をうつことは難しいんですから、例え地味な1手でもコツコツと積み重ねていけば、もしかしたらちょっとづつ生きていくことがラクになっていくかもしれません。
住宅設計における 攻防の一手
・道路よりも高い敷地で玄関に登っていくのを避けたら、結果的に地階になって容積率の地下緩和が使えて床面積が1.5倍になった。
・北側斜線で天井が斜めになったのを利用して和室の天井を駆け込み天井にしたら数寄屋風になった。
・蔵収納を設けたら階高が高くなり、そのおかげで狭い子供室を2層にして利用できた
・斜線制限による屋根の形を活かして外観をまとめた
・階段に踊り場を設けたらそこが読書コーナーになった
・水廻りのスペースが、1階にも2階にも適さなかったので中2階にしたら、すべてがうまく収まった
・共同住宅から長屋に設計変更したら、屋外階段で消費していた建築面積を居住面積に換えることができレンタブル比が上がった
etc…