家造りの労苦は楽しさに変換しなければいい家はできません

家造りは楽しさももちろんありますけど、ものすごいエネルギーが必要とされます。私達は慣れているので、免疫ができていますが、建てる側の方達にとってほとんどの場合生まれて初めての大事業です。しかもこのあとまた2回目があるかというとほぼないだろう、せっかく知識を積んで色んな事が分かってきた頃に皮肉にも家造りは終わっているものです。やり直しはできない、というところがまた儚さと緊張感を醸し出してしまいますね。
とはいえそんなことも言っていられません。なにせ途方もない大金をつぎ込まれるわけですからね、家造りの過程を楽しみ、にっこりと満面の笑みをもってお引き渡しの日を迎えたいものです。

ハイレベルな参加型家造りで、やっぱり家造りは楽しく

過程を楽しんで、できた家に満足するためにはお客様ご自身も家造りに参加するべきです。
滝沢設計の過去の例では、室内の壁を塗り壁にしてお客様に塗ってもらう(上手くとはいかなくても、はっきり言って誰でも塗れます。この分工事費は何十万円か確実に浮きます)
あと、ウッドデッキや枕木などの外構の木材の塗装をお客様ご自身で塗っていただいて、楽しみながら工事費を減らしたり。などをしていただいています。
「お客様が行えて、工事上の支障もないもの」については、お客様の個性をみながらご提案しています。

もうひとつ、どのようにどの程度参加するか、を考える際一つ浮かぶのが「分離発注」という形態でしょう。

しかし分離発注の中身を見てみると
・工種ごとに各工事業者とお客様との直接契約となる為、工事をトータルとして責任を持つ会社が存在しない。
・設計事務所の負担が増すので、設計料は当然割高となる為、総額としては思ったほどにはメリットがない。
というわけで、実際に分離発注を採用される方はとても少ないのが現状です。

そこで基本的には工務店さんなり設計事務所なり、どこかをパートナーとして選定し、そこからのアドバイスを指標として進めていくことになります。
それでもやはり、それらの知識をご自身に習得させて、ご自分の感覚として一つ一つ納得しながら選択して、積極的に家造りに参加していきたいものですね。

専門家はたしかに、これまでに膨大な経験値というものがありまず。いわばグーグルのビッグデータのようなものです。その中には明らか失敗作なんかもあります。つまり「こういうものを選ぶと~のように変になる」とか、「こういう時は~いうものを選んでおくと~な感じでよくなる」といった実体験に基づくデータが蓄積されているのです。
そして当然、日頃から建築の情報に浸かっているので商品知識も豊富です。
それらに裏打ちされたアドバイスの上で、さらにお客様固有の選択をして行くことがベストですが、その為には具体的にどういった進め方が必要となるでしょうか。
とっかかりのアドバイスもなしに「全てご自分でご自由に選べます」というのが、工務店さんやハウスメーカーの常套句ですが、残念ながらお客様にとって良きパートナーとは言い難いと思います。
建築としての見方・価値観・考え方などを幾通りか、まずお客様にお伝えし、そこでそれぞれのお客様の個性と照らし合わせた時に予想される効果をご説明する。そのうえで浮かんでくるお客様独自の感覚をプラスして、最善のご判断をしていただけることを目指しています。

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そして具体的に実際の提案となりますが、私達のビッグデータの押しつけにはならない為に、滝沢設計ではまず打合せの中でお客様の嗜好の傾向を汲み取ることを心がけています。(ここが正しくできていることが重要です)
その次に、お客様の具体的な要望、あるいは漠然とした希望のイメージをお伺いします。
そして、ご希望のパターンと併せて、ビッグデータの中からそのお客様の傾向に重なるもの、近いものをピックアップして、複数のパターンをご提示させていただきます。
こうすることによって、お客様としては膨大な選択肢の全てを検討することなく、効率的に家造りに参加し、ご自分達に合った選択が可能となります。
幸い、この時点でほとんどの打合せは成功するのですが、稀にはお客様から「うーん、正直どれもピンとこないなあ、申しわけないんですけど・・・」なんていわれてしまうことだってもちろんたまにはあります。
好みや感覚はひろそれぞれなのが当たり前ですから、遠慮なしにそれはどんどんおっしゃってください。
その際はまた選び直します。スタンスは「今回のとは違ってどんな感じのがいいですか?」から始めます。
何度でもご納得のいくまでお付き合いさせていただきます。
それこそが、自分のデザインの枠を広げてくれるものでもあります。

お客様と設計者、お互いが対等に意見を交換して、ひとつひとつ納得して進んで行く。
そんな家造りなら楽しい。いや楽しくあるべきです、家造り。

注文住宅創りを楽しむためのパートナーは