暖炉へのあこがれ

みなさん。暖炉の前に座って、頬を火照らせて、じっと燃える火を見つめていた経験はありませんか。暖炉でなくても、薪ストーブや、囲炉裏、あるいはキャンプファイヤーの燃える火を、時を忘れて見つめ、揺らめく炎に心癒やされた経験はないですか。

こうした経験から、注文住宅で家を建てるなら、暖炉のある住まいにしたいと、あこがれを持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、現実的には、神奈川の都市部に住んでいたら、本格的な暖炉は近隣への配慮や、薪の調達方法などから、なかなか難しいかもしれませんね。実際に暖炉にしろ、薪ストーブにしろ、煙突を必要とする暖房器具は、設計も色々と検討することが多く、また工事も大掛かりになり、メンテナンスや、維持も大変です。

そこで、暖炉に憧れ、注文住宅で取り入れたいけど、むずかしいと諦めかけていた方に、朗報です。今回は煙突の要らない、空気も汚さない、でも炎を楽しむことができ、暖房器具としても使える次世代の暖炉と言われる「バイオエタノール暖炉」を紹介します。

ho12

バイオエタノール暖炉

バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどのバイオマスを発酵させ、蒸留して生産される「再生可能資源」です。このバイオエタノールを燃やすときれいな炎が立ちます。バイオエタノールは燃えても有害物質を発生しないので、煙突などを使って強制的に排気する必要がありません。また、ガスストーブなどのようにガス栓との接続を必要としないので、設置場所も柔軟に対応可能です。

装置は箱型で、この中に燃料であるバイオエタノールを入れて燃やします。この装置を暖炉の中に組み込んだり、自由にデザインされた鋼製の板や、耐熱ガラスで囲ったりします。居間の真ん中に置かれたガラスの箱、その中で炎が揺らめいている、などという、従来では考えられなかった「暖炉」の自由な楽しみ方が、バイオエタノールにより可能になりました。

 

煙も臭いも出す、配管も必要ないので、設置場所も自由なため、従来はむずかしかったマンションに暖炉を作ったり、屋外にオブジェとして置いたりということも可能です。
ただし換気については、煤を排出しないと入っても燃焼により酸素は消費しますので大げさにいうと酸欠防止と、あとは燃焼時に発生する水蒸気の排出を考慮して、石油ストーブの半分回くらいの換気をお勧めします。

注文住宅で家を建てる時に、煙突の排気の問題や、薪の調達、煙突工事にかかる費用などから諦めていた暖炉の夢を、バイオエタノールであれば叶えることができるかもしれません。検討されてみても良いかもしれません。

さて肝心の熱量は?

何事も欠点無しの完全無欠なものがないように、バイオエタノール暖炉にも熱量というウィークポイントがあります。
歯の暖房システムと比較すると若干熱量は低くなります。
ただこれは、その部屋の気密度や個人の感覚にも大きく左右されるものです。8帖の部屋で十分暖まる、という方もいれば、他の暖房器具のと併用している方もいます。
つまりは、大の寒がりの方にはあまり適していないかもしれませんが、そうでなければ、インテリア性における大きな魅力はかなりポイント高いグッズです。

暖炉のある家の実例集へ(「B)70坪・2階建て 1階はRCの混構造」)