現実もしっかり直視
設計やデザインをしたり、タイルを選んだり色を決めたり、といったことは楽しいものですね。
でもしかし、世の中は楽しいことばかりでは済まないものです。
・電気の打合せ
コンセントやスイッチを増やしたり、かっこいい照明器具を選んだりすると・・・
・色決め
キッチンの面材で気に入ったものが高額だったり、モザイクタイルを貼りたくなると・・・
それらは皆、施工業者はもちろん無償では工事してくれません。追加工事となります。
そして最後に残っている壁紙の打合せ。ここでもいい壁紙は往々にして高いものです。
この追加工事金額を常に頭に置きながらご説明し、お客様のご予算を確認しながら打ち合わせを進めていくことも、私達建築の専門家としての大変に重要な責務です。
それには「金額を確認しますので数日お待ちください」では打合せが進みません。
もちろん最終的にはその都度施工業者から追加工事費の見積りを取りますが、見積りとそう大きく変わらない金額が、頭にインプットされていることが必要です。
調整役に徹します
こうして集積していく追加工事の金額を管理し、工事が終盤に差し掛かってきた時期に施工業者に集計を依頼し、お客様と施工業者双方の合意形成の下地造りをせっせと行っています。
工事に関わる全ての人が、それぞれの分に応じて充足することが、家造りの成功を下から支えることになります。だってその施工業者が後々つぶれてしまったりしたら、後味はさっぱりしませんよね。
それとなにより、アフターメンテナンスにおいてもそれは困ります。
上がってきた追加工費の合計金額をお客様にご説明し、承諾をいただけましたら、ここで滝沢設計の設計打合せは終了となります。
お客様の思いがこもった工事が全て終わり、金額面でも全て解決済。
ここで、お引き渡しに向けて施主検査に立ち会っていただきます。なにか気付く事があればお伝えいただき、是正工事をいたします。
そして建築基準法の完了検査も無事終了。
お引き渡しの日、お客様も施工業者も、皆が笑顔で「ありがとうございました」と自然に笑みがこぼれる、その場に立ち会えることが、私にとっては何よりの喜びなのです。
(設計打合せシリーズ 完)