緑の話

注文住宅で住まいを計画する時、外構計画も大切です。門扉やフェンス、アプローチだけでなく、庭をどう使うかを考えるのも楽しいものです。ウッドデッキをしつらえて、庭でバーベキューやホームパーティー楽しいですね。花や植物を楽しむガーデニング。子どもには砂場や、ブランコ、鉄棒、バスケットゴール。お父さんにはゴルフの練習にネットを張りましょうか。こうした家族で楽しむ外構計画ももちろん楽しいのですが、今回は自分たちだけでなく、街も豊かにする、緑のお話です。

緑の役割

神奈川は豊かな自然と高度に発達した機能的な都市部が近接するという全国でも稀有な県ですが、ヒートアイランド現象という言葉を聞いたことはありませんか。コンクリート建築物の増加や道路の舗装による輻射熱、エアコンの排熱などから、都市部の気温が周辺よりも高くなる現象です。
これを防ぐのが緑です。例えば一番効果があると言われるのが屋上緑化。緑化していない屋上の表面温度が55度。緑化面では30度という実験結果があります。屋上緑化というからにはまずそれだけの広さの屋上が必要で、それ自体が防水面で不可能な時代がありましたが、今は防水技術の改良により全く問題なく保証付きの工事が行えます。
実は本題はここからで、その緑化を屋上の防水層の上にどうやって行うかが、かつてはかなり困難な工事というのが定説でした。
でも今はそれも方法論が確立してきており、金額的にも手の届きやすいラインで安心に夢の実現が可能になっています。なんと屋上のお風呂だってできてしまいます。
ただもうすこし軽い感じがしっくりくる方には、比較的設置しやすいのがネットやワイヤーを補助材にした壁面緑化です。またアルミフェンスの代わりに生け垣を作るのも緑化に寄与します。同時に道路に面した生け垣は、美しい町並みを演出します。また地震などの災害で倒壊する危険性のあるブロック塀のかわりに、生け垣を植えることで街の安全性も高めることができます。

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耳寄り情報

ここで耳寄りな情報。緑を植えると補助金を出してくれる市があるってご存じですか。例えばブロックやアルミの塀ではなく生け垣にすると補助金が出る。屋上緑化や壁面緑化。駐車場を緑化しても補助金が出る場合があります。
神奈川県では地方自治体により緑化に対して様々な助成金制度があります。
横須賀市では、屋上緑化、壁面緑化(工法による制限あり)だけでなく、例えば道路に面した場所に木を植えた場合、駐車時スペースを芝生などで緑化した場合も補助金が出ます。平塚市は生け垣についての補助金制度があります。他にも藤沢市、横浜市、川崎市などでも助成金や固定資産税の軽減措置などがあります。

おわりに

緑を取り入れると、樹木であれ、生け垣であれ、どうしても手を入れてあげなくてはなりません。消毒や剪定、季節と樹種によっては落ち葉の掃除などです。
植物も生き物です。一緒に暮らしていく、と言う意識が必要なのかもしれません。ただ、手間をかけた分の見返りとして緑は、温暖化の防止などの環境寄与だけでなく、美しい景色で私達の心を癒やしてくれます。
日々家造りの打合せをしていて、庭や植栽を検討する方は少なく、実際にはほとんどの方々が「庭は要らない」「木は植えない」とおっしゃられます。もちろんそれは全くのご自由であります。
でもそれがある意味この競争社会での慌ただしさによるものだったとするならば、この植物の持つ不思議な癒しのパワーは、現代人である我々に意外なプラスの効果を生活に与えてくれるとも思います。
庭に立派な樹木や草花を育てなくても、小さな梅の木を植えて春先を楽しみに待ったり、室内の観葉植物もあるとないとでは大違いです。
水をやる時間もないという方にはサボテンという選択肢もあります。

新築お建て替えの際は、是非植物の効果。ガーデニングや緑化から室内のサボテンまで、住まいの中導入してみてください。