基礎工事の現場でよくある光景
現場監督さんがコンクリート工場に電話しています。「明日午前中で配筋組み終わるからさー、午後生コン頼むよ。」
とこのように、どんなに完ぺきな鉄筋の組み上がりも人目に触れるのもつかの間、コンクリートに包まれてしまいます。

木造の建物でも、基礎は鉄筋コンクリート造(RC造)です。RCは水に強く、堅くて重く強度も強い構造ですね。
ここでちょっと、鉄筋とコンクリートを別々に評価してみましょう。
コンクリートはいくら押してもつぶれません。でも意外とボロっと割れたり崩れたりして、伸びる能力に欠けますね。
鉄筋は逆に伸ばそうとしても無理、その割にはけっこう曲がります。
両者がガッシリ密着した時、お互いの性質が弱点を補い合う最強のコンビとなるのです。
この、協力し合って最大の効果を生む為の、最適な形が法律で定められています。
そのなかでも大きなウェイトを占めるのが「配筋」(鉄筋の組み方)なのです。

コンクリート、鉄筋の材料そのものについては書類等で品質を確認することができます。
でも鉄筋の組み立て=配筋は職人さんの手仕事です。組んだものを検査するしかありません。

”基礎”という名の通り、とっても大切な部位の要となる工事ですので、これから建て主さんになられる方にも要点を是非知っておいていただきたいと思います。

現場に着くとまずは当然ながら、鉄筋の太さとピッチを確認します。

鉄筋の太さ鉄筋のピッチ

 

 

 

そして「かぶり」寸法のチェック。この「かぶり」は強度上ももちろん重要ですが、
鉄を水又は酸から、長い将来守る役目も担うコンクリートの厚さ、それが「かぶり」です。

かぶり寸法

それから、1本1本の鉄筋の端が全て適切につながり合っているか、
補強はきちんとなされているか、等々の確認を隅々までして、やっと安心。

定着長さ継手長さ人通口

もちろん、前もって現場の人に渡してある図面にこれらはすべて表現されてはいますが、
人為的なミスを防ぐために、きっちりしっかり、現場での検査も行っています。

配筋

あとは生コン車を待つばかりです。