施主支給のいろは

もうだんだんと名詞として固定してきた感がある「施主支給」です。
以前はといえば、建築に使うものは何から何まで全て、施工業者が用意していましたよね。
そしてそれらはやっぱり全て、1次問屋→2次問屋→販売店、を経由して工務店が購入していました。
いうなればお客様の手元に届くまでに4社のマージンが載せられてしまっていたわけです。

時代背景としくみ

このルートの1次問屋の役割をネット販売業者が代わり、2次問屋以降を全部撤廃して、マージンを3つ分減らしてお客様が直接購入して工事現場に入れると、施工業者は施工費だけになる。これが施主支給です。
もちろんお客さま方は、先ほどの2次問屋ほどには安く買えませんが、かつての工務店の見積りと比べたら、全然低い金額が可能となります。
大元のメーカーからするとこの、「2次問屋よりは高い」=「ネット販売業者には1次問屋よりも高い値段で売れる」ことがすなわちメリットになっていて、これが昔のしきたりを「吹っ飛ばした」感じです。そして今も施主支給の流れをより強く後押しいています。

保障体系

製品については製造メーカーの保証、取り付け施工の部分についてはこれまで通り施工業者が一定期間保障します。
ですので、製品に関してメーカーとお客様が直になっただけで、安心は変わりません。(製品の保証は、施工業者も単に取次役でしたので)

気をつけること

いいことばかり、というわけではありません。お客様にも新たな難物が発生します。
例えば
・品番を間違えた
・足らない部品があって工事が止まってしまった
・不良品が来てしまった
・もっと根本的に、品物の選定が誤っていた
このような事が起きた場合、施工業者に責任は全くなくなります。これは困った事態です。
こんな心配があるならやめようかな・・・と思ってしまいますよね。

ここで滝沢設計の出番です。
一番初めの肝心要の品物の選定段階から、丁寧にアドバイスをし適切なものをお勧めします。
エンドユーザーと取引を行わない建築建材設備の商社の場合は、滝沢設計が発注を行い、お客様から滝沢設計に振り込んでいただいた金額をそのまま商社に振り込みます。もちろん経費などは一切いただいておりません。このケースならお客様は全くストレス無しですね。
ご自身で購入できるサイトの場合は、ご発注の際には、工事の進行がちょうどいい時期に、あとは単に入力すれば良いところまで、品番をまとめて書いてお伝えしています。
また、不良品の可能性が低く、もしあった場合も対応がしっかりしている流通元をお勧めいたします。

施主支給、は耳触りはとてもいいのですがこうしたフォローがない限り、お客様にとってはかなりリスクの伴う、勇気が要る選択肢となってしまいます。

注意点

一つご注意いただきたいことが残っています。
これらの品物は、施工業者が全く関知していない配送によって工事現場に運ばれることになります。通常は現場監督や大工さんが引き受けをしてくれますが、施主支給品は彼等も運んでくれません。ケチ、というわけでなく、「なんだかわからないもの」なので運ぶことができません。
「間配り費」といわれる、建物内への搬入費用をプラスで計上しましょう。一瞬、せっかく安くなったのにもったいない気がするかもしれませんが、これは必要経費と割り切った方がよさそうです。

またなかには、間配りできないものもあるかもしれません。それは現場監督さんに頼んで施工業者宛に配送するか、小さいものであれば設計事務所が現場に運べます。

nattoku

納得して得してください

せっかく現れたいいシステムですから、流れをしっかりと掴んで、今の時代のメリットを存分に活かした家づくりをしましょう。