工事がだいぶ進んできました。

木造でも3階建てになると、2階建ての時とはだいぶ工事も変わってきます。まず基本的に耐力壁(筋交いや構造用合板)の量が格段に増えます。構造用金物は耐力壁と連動しますので、壁が増えれば金物も増えます。力が集中するような個所では金物が密集してしまうこともあり、そんな状況でもそれぞれの金物が有効に働くよう、細かい調整が必要です。
また、構造用合板をとめる釘やビスの種類と長さ、そして留める間隔、さらには板へのめり込み具合(めり込みすぎると効きませんね)、どれも非常に重要なチェック項目です。
巣鴨

狭小住宅理の工事監理

この家は東京都内の狭小住宅ですので、当然のように間口も狭く、建物の平面上の縦横比は例によってあまり望ましくありません。
そして、平面上だけでなく立面的。つまりは上下の高さも大いに関係します。
うなぎの寝床のような建物は単純に考えても、その長い方を軸にして揺れやすいですよね。これは「塔状比」といって、建物のの細い方の幅に対して、建物の高さがその3倍を超える場合は、構造上に強化する必要が出てきます。
でもこれは、別に「3倍を超えてはいけない」という事ではありませんのでご心配の無いように。つまり、具体的には耐力壁の量を増やし、必要地耐力を大きくとれば構造計算はOK,フィニッシュできます。もちろん、建物の工事の難易度も増さず、何ら支障なく建築も行うことができます。
ただし、必要地耐力が上がってくるほどに地盤改良工事が必要となる可能性は高くなり、またその工事の費用も上がります。
といっても、建てる土地が決まっていている場合はその土地に合わせて建物を設計することになります。どうしても欲しい家の広さを確保する為には上へ上へと建物を伸ばしていくし方法が残っていないときは、何かしてのコストアップ無しにそれを実現することは難しいというのが現実です。

地盤についてのコスト、そして耐力壁の影響は間取りに拘束が働いてしまう事です。
もっと広くしたいリビング。設計が進んで、構造計算をしたらリギングの真ん中に耐力壁がいきなり出てきたら、お客様としては許容できないですね。
設計の初期段階からデザインや使い勝手と同時進行で、あらゆるリスク要因を予測しできる事ならそれらを回避し、もし回避できそうも無い事の場合はその影響を最小限にとどめるために、構造計画を徹底的に抜かりなく行うことが、狭小住宅においては絶対的必須です。

さてでもせっかくいい設計をしても、その設計計画通りに工事が進まなければ、まさに絵に描いた餅。まったくの無意味であり、お客様にも大変な損害です。
特にそうした構造計画での工夫や対応は時に高度で複雑な構造形態を必要とします。こういう箇所には厳しい現場工事に対してのチェックを行わなければなりません。つまり、工事監理とはデザインの仕上がりのみをチェックするものではなく、構造形態が設計通りになっているかも同時に進めていくことが必要です。
こうして工事の質品質を退会レベルで均一に保ちながら、誤りがもしあれば施工者側の立場も尊重しながら是正させて(意外とここが大切です。みんなが気分良く仕事をすることが工期短縮やミスのない施工につながるからです)、工事をスムーズに正しく進めていくことも、我々設計事務所の責務です。