スチール階段を施工しました

悩み考え抜いて、何度も図面を描き直したスチール階段。
それには、そのデザイン通りにきちんと造って現場に取り付けることができる、信頼できる鉄骨屋さんの腕も必要不可欠です。
いつも加工の途中で鉄骨工場の作業場に行って細かな打合せと確認を行い、時には修正を加え、現場での取り付けにも立ち会っています。
チェックしたプレカット図の難所が問題なく上棟できたか、とか、デザインを形にする為にひねり出した技が施工図通りに決まった、とか。絶対に失敗しないように繰り返し頭の中で検討し尽くしてはいても、実は内心、現場でできるまでは心中穏やかではいられないものです。
だからこそこうした局面は監理業務のだいご味でもあります。
パッと目の前にしたら、まずはダメだ、と思う事でも諦めずに策を練る。それでだめなら一旦中断して、しばらくしてまたリセットして一から考える。
そんなこんなを繰り返していると、突然ふと解決策がひらめく事が多いものです。(いくら頑張ってもだめな時もやっぱりありますが、とことんまで悩んだ後は逆にさっぱりして諦めがついて、次の行動をより良くする事に集中できます。)
今回のスチール階段も、ほんとを言うと、できるまでドキドキでした

本当に必要な工事監理

工事監理には単なる技術的なチェックという側面があります、というか法律上の定義ではこれこそが工事監理です。
でもそれだけだったらある程度の経験と知識があれば、全然楽勝な業務です。
技術でできることというのは頑張って勉強すれば必ずだれでもが習得できるものです。
反面、良いデザインというもの、これには個人差があるものですが、その差を広げるものがあります。それは実現力です。

いくら斬新で芸術的に優れたデザインを発想できたとしても、建築の場合はそれを3次元に造り上げて、さらにはそれが恒久的に存続する強度を併せ持っていることが必須となります。これを実現させるのは、単に発想するのとはまた違ったところですの能力が求められます。

それにはまず、現場施工の知識。これが不可欠です。これは机の前から離れないデザイナーさん達には最も苦手な分野ですね。
次にどうやって造るか、を考えだす創造力とアレンジ力。さらにはその強度が絶対的なものになるまで何度も何度も慎重に検討を重ねる慎重さと忍耐力も必要です。

それらの総合した業務、実はそれこそが「丈夫であればいい」からより高い付加価値が求められる、これからの家造りにとって本当に必要な工事監理業務なのです。

これらを併せ持った設計者、こう考えるとそういうひとは自ずと少ないという現実に行きつきます。
それでも、一念発起して家を建てるなら。あきらめずにそうしたパートナーを見つけてください。