着工から5カ月かかりました。

狭小

限られた土地に沢山の要望を盛り込む狭小住宅は、広い土地に大きな家を建てるのと比べると、工事にも時間と手間がかかるものです。
この家はまだいい方ですが、なかには家の外まわりを歩くには横向きにカニ歩きが求められることもしばしばです。
「え?でも民法の50cmは離さなければいけないんだからカニ歩きの必要はないんじゃ?」とお思いの方もいらっしゃると思います。
でも例えば、お隣の家がもうすでに50cm離していなかったら、もしこちらが50cm離さなくてもお隣もなにも言えないものです。実際に訴訟になり得ませんので、都心ではこうしてどんどん密集化していくのです。

室内の設計テクニック

リビングの南面にはバルコニー、といえども、すぐ前には向いの家の窓。結果的には一日レースのカーテンを引いていることになるでしょう。
こういう家では吹抜けはもう必須といってもいいものとなります。吹抜けはその上の階のスペースを必要としますが、そんなことを煙たがってはいられません。なんとかして吹抜けを確保して、上からの採光と通風が、ぜがひでも必要です。これがなかったらと思うと・・・

fukinuke

都会のオアシスに生まれ変わらせる

でもこうした工夫により屋内環境が良好にできたなら、屋上に出て都会を一望するときっとこの感覚は都心でしか味わえないのかもしれません。
自分の設計ながらいつも、私は神奈川の人間ですのでこういう景色には圧倒されてしまいます。狭小住宅だからこそ増幅される世界があるように感じます。

oasis
工事費とか間取りとか、調整はもちろん至難の業ではありますし、私の家でも私が払う工事費でもありませんが、せっかく都心で家を建てるならばちょっと無理をしてでも、この感覚を味わっていただきたいと思ってしまいます。

朝日とか夕焼けとか、日光浴とかも気持ち良さそうです。