「蔵」の続きです

前回、「蔵の無い部分の天井高が不必要に高い」という「蔵」の大きな欠陥をお話ししました。
でもそれは、その高い天井がなくてはならないものになるように意味を与えると、今度は突如として家全体が機能し始めます。

活用法1、
当面は客間として高い天井を満喫し、将来子供用に部屋を2つに割る。平面的に広さだけを見ると小さすぎるが、天井高が十分にあるのでロフトを造ってそこで就寝すれば、その下全てを利用でき子供部屋としての広さが確保できる。

蔵とその活用

蔵とその活用

活用法2、
ウォークインクローゼットの上をロフトとして造り、高い天井の全てを2段にして使い切る。

これなら、「蔵」によって発生した天井の高さを十二分に活かすことができます。
逆な言い方をすると、特殊な設計と言うのはこうしたアイデアがないと、無用の長物になってしまう事が往々にして多いものです。

将棋の格言に「攻防の一手」というのがあります。

一つの手が、攻めにも守りにも、あちこちに“効いて”いる、そういう1手が妙手なのだ。という意味です。
せっかくのいいアイデアでも「ここは良いんだけど、そのためにあっちにしわ寄せが・・・」と、そんなことになってはたぶん実行に移す前にボツとなってしまうでしょう。
お客様をがっかりした顔にさせてはいけませんね。

ひとつのアイデアが浮かんだらそれは終わりでなく、更にいいものへと価値を加えていくことで、もっと意味あるものに進化させていく。
お客様のご要望に応える時、またはアイデアをご提案する時には、このような事が常に頭にあることが、我々設計事務所には求められています。