今回はちょっと視点を変えて、住宅建築を音楽や絵画などの芸術と並べて比較してみたいと思います。
ただし、中世のヨーロッパにおけるような宮廷御用達の為のものは外します。

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音楽・絵画と建築とは決定的な違いがあります。

音楽・絵画は芸術家が自分のお金で買った楽器・画材を用いて作成します。
でも住宅建築の場合、それらよりもはるかに多大な金額が必要で、その資金は全てお客様が出費されます。これは大きな違いです。

つまり、音楽・絵画は創り手だけが満足いくように創っていい、というかそうあるべきです。
でも全てお客様のお金で行われる建築においてはそれでいいでしょうか?答えはNOですよね。
住宅の建築家は、自分だけで思うままにデザインを追求していてはいけないのです。

もしお客様に「あなたの思う通りにやって下さい、それが私の希望です」と言っていただけるケースなら別です。
でもこと住宅においては、住む方の希望や好みが主張されることの方がかえって自然です。

にもかかわらず、“かっこいいかもしれないけど、”「落下の危険」「冷暖房の非効率」「動線は延びデッドスペースは肥大し、暮らしやすさは後回し」「トイレや浴室が丸見え」「デザインの為だけの高額な工事費」等々、建築家のエゴを前面に押し出したような住宅設計が存在していることも事実です。

住宅建築は音楽・絵画とは違います。お客様のお金で必ずしもお客様が心から望んでいなかったものを造り、果たして良い住宅建築と言えるのでしょうか?

では次に、どういう進め方がいいのかを考えていきます。

自分のデザインとお客様のご要望を足して2で割る。 
これは一瞬いいように聞こえますが、なんとなくいまひとつな響きが残ります。
建築家として妥協を強いられているようですし、なによりお客様のご要望まで半分になってしまいそうです。
違うものを強引に一つに合わせるなんて、打合せも楽しくなさそうです。

ベストは

「それぞれのお客様のご要望に対し、お客様の立場に立ち、そこから自分のデザインを生み出す」。
これならば、建築家としてなんら妥協もなく、お客様のご要望に最適のアイデアが、初めから出てきます。
全体の大きな流れに逆らうことなく、自然に家造りが進んで行く。打合せも楽しそうですね。

住宅の建築家には、自分の創造だけでなく、お客様の対場に立ってまとめていくコミュニケーション力が求められる。という事が出来るのではないでしょうか。

注文住宅の設計・建築は滝沢設計