設計料画像

設計料は工事費と比べたら微額ではありますが、皆様やっぱり興味は津々かと思います。
設計と施工が分離した場合での、設計事務所の設計料について掘り下げてみましょう。

設計事務所や建築家、それぞれが自分の設計におもいおもいのアピールをします。

そこで依頼する側としては、「あなたの設計の素晴らしさは分かった。で、結局のところどうなのかな?んー、そのへんのところはさ」といったところですよね。

建築士の設計料には、例えば不動産業者の仲介手数料のような法律で定められたものがありません。ならば全くのピンキリかというとそうでもなく、住宅設計の場合概ね建物工事費の10%、というのが目安になってきます。

でもその数字は一体どこから来たの?と思われることでしょう。

注文住宅の設計(分譲住宅の場合はまた別ですが)、一生懸命に使命を全うした場合の仕事量は膨大になります。それを平均的な就労時間で行った場合、まあそこそこといえるのがその数字、という経験値の結果です。

ここで簡単に分類をしてみましょう。

1)10%より高いひとたち

このひとたちは、いわゆる「先生」と自他共に認めるような方々です。

20%ぐらいまで主張するかたもいらっしゃいます。

今は大昔と違って、設計する側の数は増え競争と淘汰により、別に「先生」級でなくてもいい仕事ができる設計者は探せば見つかる時代ですから、はっきり言って”取り過ぎ”のひとたちです。

もう一つ付け加えますと、「先生」級でもないのに高額の設計料を提示されたら、それは不当とも言えます。

2)10%のひとたち

上記のかたたち以外となると、これが面白いように皆さん一律に10%、が多いようです。

やはり先にも書きましたように、その数字でないとそこそこになりませんしね。無理もないように感じます。

ただここで、その「そこそこ」を掘り下げる必要があります。

このそこそこ感は、右肩上がりの時代に培われた感覚です。これからの時代にもそれが適用される正当性はあるのでしょうか?

またもうひとつ側面があります。

現在住宅着工件数は減少する中、従来の住宅設計事務所、地場工務店、ハウスメーカーに加え、大きな建物を手掛けていた人たちが受注難により住宅の設計に移行してきて競争が増し、たくさんのお仕事をご依頼いただくことはなかなか難しくなってきています。

へんな例えですが、多くのお客様が見込めない食べ物屋さんはお値段下げれません。薄利多売の反対、厚利小売、にならざるを得ず、10%よりも下げたくても下げれないのです。

3)10%いかないひとたち

この場合あまりに少ない為、ひと”達”とも言えないかもしれませんがいるにはいます。
10%を切っても採算を確保するためには、これからの「成熟した、でも低成長社会」の感覚にいち早く順応し、質は保ちながらも多くの仕事を継続して行う能力が必要です。
あと実際には、自分にあまり多くを望まない、他人の為に頑張る、性格が不可欠ですから、おのずと少なくなってきます。

大きな買い物をする時に、気合を入れて価格交渉をした経験のあるかたはなんとなく分かるかと思いますが、諦めずに探せば、世の中には腕も人間性も良く、なのに「欲のない人」がどの業種にも必ずいるものです。

極端に安い=ハウスメーカーや工務店

これは単に数字の入れ替えというかカラクリですので、その点だけはご注意ください。

見積り書には大体工事費の1%から3%程の額しか計上されていないと思いますが、設計料をサービスしているわけではありません。工事費の方に載せた利益で設計費用も賄っています。

また、ハウスメーカー・工務店さんの場合はさほど設計に重きを置きませんから、設計社員のお給料も抑えられる、という事も設計費が低い事に一役買っています。
でもこれはつまり、「設計のレベルも低い」ということになります。ですので、さほど設計にこだわらない家をお求めの方にとってはマイナス面はありません。

さて、私はどれに属するかといいますと

3)に属します。

私の場合は、人間関係ができてくるとお客様にはなかなか高額のご請求はしずらくなってしまう、という性格上の傾向もありす。

また私は仕事はお断りせず、基本かなりなんでもやってしまいます。

注文住宅だけに固執せず、分譲住宅など、建築家さん達がノリ気にならないものも、進んでやっています。ところが実はやってみるとこの分譲住宅というのは大変に勉強になり得るところが多いのです。

また時には宅地造成工事の設計もやってしまいます。住宅の設計も平坦な地形ばかりではないので、こういった経験も言い表せないくらい自分の為になっています。

まあそういった諸々のおかげで、当方の場合設計料を巷よりもお下げすることができています。

そもそも、「価格」とは何なのか?その本来の意味と価値

さて、ここまでいろいろな設計料の例を眺めてきて、それぞれの会社の運営システムだけでなく額を決める人の性格や人間性も大きく作用することが分かりました。では皆さまエンドユーザーの立場としてただ単純に安ければいいのでしょうか?
「価格」とは本来、価値が高いほど高額になるものです。だとすれば、ただ単に価格の安さだけを求めてしまうと、これは当然、高い価値のものは得られない。ということになってしまいます。
例えば、ご自分が大きなケガや病気に見舞われた時、診察料金があまりに安いお医者さんがいても、その人には診てもらいたくないのではないでしょうか。
「完璧な成功」を目指すなら、安易な近道をせず、「価値は高いのに性格が良心的」なパートナーを見つけましょう。

最終的にどちらにご依頼されるかは、当然いろいろな意味での相性が加味された上のことになろうかと思います。

いずれにしても、充分に比較検討され、妥協のない選択となることを願っております。

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