テーマは「シンプル」「すっきり」「明るく」

築23年の木造3階建て、2階リビングの全面リフォームです。

livirifo

明るく

今回は外壁やサッシに変更は加えない前提です。窓を変えずにこの「明るく」というテーマは難題でした。
でもふと気付くと、階段の外側に比較的大きな窓があります。これまでは階段とリビングの間には完全な壁があって、せっかくのこの窓からの採光はリビングには届いていなかったのです。

木造の階段はこのように床から天井までの壁で支える方法がごく一般的な方法です。しかし、創り方を工夫すれば、もっと開放的に、階段を支える部分を最小限にすることだって可能なんです。
もちろんそれには、過去の経験に裏打ちされた、「大丈夫、絶対にこれでもつ」というしっかりとした根拠と自信がなければなりません。
また、ただ単に壁を無くすだけにとどまらず、デザイン的にもプラスの効果が求められます。

こうして階段の外側の窓からリビングに、いままで思いもしなかった横方向からの光が入ってきました。
木造3階建ては南北にうなぎの寝床形状であることが多い為、南面の窓から離れた奥の方は暗くなりがちなんですが、ちょうどその不足となっているエリアに貴重な太陽がプラスになったわけですね。

あとは壁と天井のクロスを同じものにして、空間に途切れのない広がりを持たせました。また、やや反射の強めなクロスを選び、窓からの限られた光を拡散させて広げています。
更には、窓サッシは変えられないとしても、その内側の窓枠は付け替え工事が可能なものです。それまでは濃い茶色の枠材だった所を、白い、クロスと同化するようなものに付け変えました。これによってクロスで狙った広がり感を阻害せず、「すっきり」という目的にも対応することができました。
これは狭小住宅で限られた空間に広がり感を持たせる時にも使うテクニックです。

床板も白、という選択肢もありましたが、お客様のお好みでは床板はナチュラルな感じがお好き、とのことでした。製品としてはあっても、白い木など現実には実在しませんからね。
うすめの色でチェリー材をご提案しています。

キッチンの面材の色は、まずはお客様の好みの色をいくつかピックアップしていただき、それについて私のアドバイズをお伝えし、最終的にお客様にお決めいただきました。

結果

「窓は変わっていいないのに、小さな工夫の積み上げでこんなに奥の方まで明るくなるなんて。ほんとにこのリフォーム、やって良かった。」と言っていただきました。